滋賀心理カウンセリングです。
草津さんは60代で、カウンセリングの主旨はご本人の何事かというよりは、お孫さんの心配です。
草津さんの娘さんが結婚した家庭にお孫さん(11才)がいるんですが、
初めて来てくれた2ヶ月前の時点で草津さんは警察に相談するべきかということをウチで話していました。
というのも、お孫さんのメガネが割れたから買ってあげるということで一緒に買い物に出掛けた時に
左腕にアザがあったそうなんです。
突飛に考えすぎかもしれないけれど、メガネが割れて腕にアザって
学校でイジメられてるのでは?と草津さんは思って、聞いてみたそうです。
お孫さんは内気というか、穏やかで優しい感じの子なのでやられたらやられっぱなしになりそうな心配は元々あったそうです。
「アンタ、そのアザ誰にやられたん?お母さんには言うたんか?」
と聞くと
「え、いや、別に。なんでもないで」
と答えられ
「なんでもないことないやろ。勝手にアザはできんやろ?どうしたんや?誰かに意地悪されたんちゃうんか?」
と聞き直すと
「お母さんに言わんといてよ?」
と言われ『うん』と言うと、お孫さんは
「お父さんに蹴られた」
と言ったそうです。
「お父さん?お父さんに蹴られたん?学校の友達じゃなくて?」
草津さんは驚きました。
「え、お父さんやけど。もうえぇから気にせんといて」
お孫さんは放っておいてほしそうですが
「いやいやアンタ、お父さん?ホンマに?お母さんは知ってるんか?」
と聞くと、お孫さんは下を向いて
「・・・知る訳ないやん。言わんでえぇんや。お母さんも叩かれてまう」
との悔しそうな言い方を聞いて
日常的に暴力があるのではと感じたそうです。
「お母さんは・・・お母さんも叩かれたり蹴られたりしとるんか?」
焦って草津さんが聞くと、お孫さんは
「もうえぇやん!とにかく誰にも言わんといて!絶対やで!」と
嫌そうに話を打ち切られてしまったそうです。
そんな、アンタ、いやいや、それ大丈夫かいな・・・と
DV?虐待?犯罪?何それどういうこと・・・?
草津さんは誰にも言うなとクギをさされたことで、
娘さんにも、旦那さんにも聞けず
おじいちゃんにも話せず、
どうしていいかわからなくなって過ごしているうちに
夜に眠れなくなり、動悸や頭痛、めまいがするようになったそうで
内科に行った時にカウンセリングを勧められウチに来たということでした。
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初回まず一通りの話を聴き、私は
「いや、それは黙ってたらダメなんじゃないですか?今の段階で警察は極端やと思うけど」
と意見しました。続けて
「暴力やら虐待やら、万一にも可能性と心配があるんなら動いた方がいいですよ。今のままでは草津さん自身の体調も悪化していくやろし。もしかしたら余計なお世話で何も問題ないかもしれへんけど、それならそれでそれを確認したらいいんですよ」
と勧めました。
出来たら、もちろんお孫さんには知られないよう、まずは娘さんにコソッと聞いてみたらいいとして初回のカウンセリングは終わりました。
2日後に草津さんが報告を兼ねて来てくれました。
どうでした?と聞くと、
「娘に聞いてよかったわ。なんかね、娘は何もされてないみたいやし、暴力とか虐待とかも受けてないらしいけど、孫のことは心配してたって言うてました」
娘さんが、どんな心配を?
「孫を連れて公園に行ってくるみたいな時に、孫はいっつも渋るらしいんです。父親と遊びに行くのを嫌がるって」
それは怪しいね・・・小学生の男の子がお父さんと遊ぶのを嫌がるのは早すぎるもんね
「やっぱり?ほんで、なんか父親の話を一切せぇへんというか、嫌がるというか、父親に対してよそよそしいらしいんよ」
ふんふん
「なんでや、って娘が問い質した時に、『俺の親父にコイツ似とんねん』って言うたって。嫌いなんやって、言うたらしいんよ」
それはよろしくないね・・・
「それから娘も気を付けてみてるとは言うてたけど、今回のメガネもアザも、何も気にしてなかったって」
まさか、愛情が薄いぐらいは思ってても暴力を振るってるとは思ってなかったんかもね
「そう、そうみたい!ほんで、昨日の夜に娘が旦那と話したらしいんやけど、どうも娘が家を空けてる時とかまともにご飯を食べさせてないとか、ちょっと気に入らんことがあったら怒鳴るとか叩くとか、しよるみたいなんやって」
それはアカンやん・・・
「ほんで娘が『そんなん虐待やんか!』って怒ったら、旦那が『ちょっとぐらいメシ抜いたぐらいで何ともあるかぁ!』って怒って暴れ出したいうて、夜中に私に電話してきたんよ!」
暴れたって、大丈夫?
「時間も時間やったし近所の人に警察を呼ばれてしもたみたいで、なんか捕まるようなことはなかったみたいやけど児童相談所?に警察から通報された言うて」
あぁ、そらそうなるやろね
「ほんで今日の朝に、旦那に仕事を休ませてまで聴き取り?したらしくて、そこで『あなたそれはネグレクトですよ!』ってお説教されたって」
うん、そうなるやろね
「・・・って言うてたんやけど、ネグレクトってなに?」
あぁ、育児放棄のことですよ
「あ、そやわ、その通り。育児放棄やわあんなモン」
うん、ほんで?
「せやけど離れ離れにはしてくれへんかって、これからは様子見て見回りするとか何とかいう感じらしいんやけど、娘はもう怒ってしもて」
そりゃそうやわ
「別居するなり離婚するなり考える言うて」
うんうん
「でもホンマよかったわ。いつからそんなんやったんかわからへんけど、これで孫がもう何もされへんようになるんやったらホンマによかったわ」
動いてよかったねー、ホンマに。でも、すでにお孫さんはPTSD(心的外傷後ストレス障害=トラウマ)なりAC(アダルトチルドレン)なり、心の傷が心配やからこれから大事にしていかんとね
「ホンマに、その通りです。ここ来て聞いてもろてよかったホンマに。PT?AC?なんか病気になってしもたんですか?」
病気というか、後遺症というか
「後遺症!」
いや、ニュアンスが・・・ちゃんと治ることやし、もう怖い思いさせんようにしたいねってことね
「あぁ、まぁようわからへんけど、孫も診てもらう必要ありますか?」
うん、保健室でもスクールカウンセリングでもいいし、ウチでもいいから1回『こういう心配があるんです』って前提で話する機会を作ってあげるといいと思いますよ
「そうなん・・・まぁようわからへんけど。それにしても旦那!何にも悪いことしとる思てへんであの男は。私らにはニコニコしてえぇ顔してきたのにホンマに」
ネグレクトいうのはね、基本的に家の外にはわかりにくいモンなんですよ。身内でも。でもわかってよかったね、ホンマに
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ということで、解決というには違うけど、お孫さんにとって良い方に状態が変わっていくといいなという急転直下な案件でした。
それにしてもお父さん。たぶんホントに悪いことしてるつもりなかったんだろうし、もしかしたらお父さん自身も暴言や暴力を受けて育ったのかもしれないし、お父さん自身もPTSDやACがあるのかもしれない。
でも、それは繰り返してはいけないし、何よりお孫さんは何も悪いことしてない。
されて嫌だったことをしてきたのも辛いだろうし、
お孫さんはもちろん、お父さんにもカウンセリングの機会があればと思います。
滋賀心理カウンセリングでした。
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